Mitsubachiのメモ

組合せ論をしています

EGMO(Evan Chen) メモ9

Problem 1.49. (USAMO 2010 1)

問題:

五角形AXYZBを辺ABを直径とする円に内接する凸五角形とする。

点Yから辺AX,BX,AZ,BZに下した垂線の足をそれぞれ点P,Q,R,Sとする。

直線PQと直線RSの交点を点Tとし、辺ABの中点をOとするとき、2∠PTS=∠XOZを示せ。

 

解答:

AXYZBが内接している円をωとする。ABはωの直径より、その中点である点Oはωの中心である。

∠ZAB=a,∠XBA=b,∠YAZ=c,∠PAY=dとする

A,X,Y,Z,Bは共円より∠YBZ=∠YAZ=c,∠YBX=∠YAX=d

QはYからXBに下した垂線の足より∠YQB=90°

ABはωの直径より∠AXB=90°

よって∠PXB=180°-∠AXB=90°より∠YQB=∠PXB(=90°)であるので、PX//YQすなわちPA//YQ

これより∠AYQ=∠YAP=d

∠AXB=90°より、a+b+c+d=(a+c+d)+b=∠XAB+∠XBA=180°-∠AXB=90°

△AYRに着目すると∠AYR=180°-90°-∠YAR=90°-c

∠AYQ=dより∠QYR=∠AYR-∠AYQ=90°-c-d=a+b

X,Y,A,Bは共円より∠YXP=∠YBA=b+d

∠YPX=90°,∠YQX=90°より∠YPX+∠YQX=180°なのでP,Y,Q,Xは共円

よって円周角の定理より∠YQP=∠YXP=b+d

同様に∠YRS=a+cであり∠PTS=360°-∠QYR-∠YQT-∠YRT=360°-(a+b)-(180°-∠PQY)-(180°-∠SRY)=90°-a-b

Oはωの中心より∠ZOA=∠OAZ

よって∠ZOB=∠ZOA+∠OAZ=2a

同様に∠XOA=2bでありこれらより∠XOZ=180°-∠ZOB-∠XOA=180°-2a-2b

よって2∠PTS=2(90°-a-b)=180°-2a-2b=∠XOZ

より示された

 

Problem 1.50. (IMO 2013 4)

問題:

鋭角三角形ABCの垂心を点Hとし、点Wを辺BC上(点B,C以外)の点とする。

点B,Cから辺AC,ABへ下した垂線の足をそれぞれ点M,Nとする。

円ωを△BWNの外接円とし、ω上の点Xを辺WXがωの直径となるようにとる。

同様に円ω'を△CWMの外接円とし、ω'上の点Yを辺WYがω'の直径となるようにとる。

点X,Y,Hが同一直線上にあることを示せ。

 

解答:

ωとω'の交点で点Wでない方を点Tとし、AHとBCの交点を点Lとする

XWはωの直径より∠XBW=90°

よって∠XBW=∠ALW(=90°)であり、XB//AL

同様に∠YCW=90°とYC//ALがいえる

B,W,T,Nは共円より∠NTW=180°-∠NBW=180°-∠ABC

C,W,T,Mは共円より∠MTW=180°-∠MCW=180°-∠ACB

よって∠NTM=360°-∠NTW-∠MTW=∠ABC+∠ACB=180°-∠BAC=180°-∠NAM

これより∠NTM+∠NAM=180°であるのでA,N,T,Mは共円

点Hは△ABCの垂心より∠ANH=∠AMH=90°であるので∠ANH+∠AMH

よってA,N,H,Mは共円であるのでA,N,H,T,Mは共円

A,H,T,Mは共円より∠AMT=∠THL

A,N,T,Mは共円より∠BNT=∠AMT

B,X,N,Tは共円より∠BXT=∠BNT

XTとALの交点をH'とするとXB//ALより∠TH'L=∠TXB

これらより∠TH'L=∠THLであり、H,H'は共にAL上の点なのでHとH'は一致するのでX,H,Tは同一直線上

∠XBW=90°とX,B,W,Tは共円より∠XTW=180°-∠XBW=90°

同様に∠YTW=90°であり∠XTW+∠YTW=180°となるのでX,T,Yは同一直線上

よってX,H,T,Yは同一直線上であるのでX,H,Yは同一直線上

よって示された

 

Problem 1.51. (IMO 1985 1)

問題:

円に内接する四角形ABCDと円ωがあり、ωの中心は辺AB上であり、他の四角形の3辺はωに接する。

この時AD+BC=ABとなることを示せ。

 

解答:

BC,CD,DAがωに接する点をそれぞれ点F,G,Eとし、ωの中心をOとする

AD=AD'となるように辺AB上に点をとる

∠DD'A=aとする

AD=AD'より∠D'DA=a,∠D'AD=180°-2a

四角形ABCDは円に内接するので∠BCD=180°-∠BAD=180°-∠D'AD=2a

CF,CGは共にωの接線より∠OCG=∠FCG/2=∠BCD/2=a

よって∠DD'A=∠OCD(=a)であるのでO,D',D,Cは共円

∠BD'C=bとする

O,D',D,Cは共円より∠ODC=∠OD'C=∠BD'C=b

DG,DEは共にωの接線より∠EDG=2∠ODC=2b

四角形ABCDは円に内接するので∠ABC=180°-∠ADC=180°-∠EDG=180°-2b

△BD'Cについて考えて∠BCD'=180°-∠D'BC-∠BD'C=180°-∠ABC-∠BD'C=b

よって∠BD'C=∠BCD'(=b)なのでBD'=BC

これよりAD+BC=AD'+BD'=AB

よって示された