Problem 1.46. (Canada 1997 4)
問題:
平行四辺形ABCDの内側に点Oがある。
∠AOB+∠COD=180°のとき、∠OBC=∠ODCであることを示せ。
解答:
ABCDは平行四辺形なのでAB=DC
よって△AO'Bと△DOCが合同となるように点O'を取ることができる
∠AO'B=∠DOCであるので、∠AO'B+∠AOB=∠DOC+∠AOB=180°
よってO',A,O,Bは共円
△AO'Bと△DOCが合同より∠O'BA=∠OCD,O'B=OC
これとAB//CDよりO'B//OC
これとO'B=OCよりO'O//BC
よって∠O'OB=∠OBC
O',A,O,Bは共円より∠O'AB=∠O'OB
また△AO'Bと△DOCが合同より∠ODC=∠O'AB
以上より∠OBC=∠ODC
Problem 1.47. (IMO 2006 1)
問題:
△ABCの内心をIとする。点Pが△ABCの内部にあって、∠PBA+∠PCA=∠PBC+∠PCBを満たす。
この時、AP≧AI を示せ。
また、この不等式において等号が成立するための必要十分条件はP=Iであることを示せ。
解答:
∠PBA+∠PCA+∠PBC+∠PCB=(∠PBA+∠PBC)+(∠PCA+∠PCB)=∠ABC+∠ACBより、∠PBA+∠PCA=(∠ABC+∠ACB)/2=∠IBA+∠ICA
よって∠PBA-∠IBA=∠ICA-∠PCAであり、これより∠IBP=∠ICP
これと円周角の定理よりI,P,B,Cは共円
よって点Pは△BCIの外接円の円周上に位置する
直線AIと△ABCの外接円の交点で点Aでない方を点Oとする
この時、∠OBI=∠OBC+∠CBI
またIは△ABCの内心より∠BAI=∠IAC=∠OAC,∠ABI=∠CBI
これらより∠OBI=∠OBC+∠CBI=∠BAI+∠ABI=∠OIB
よってOB=OI,同様にOC=OIが示せる
よって点Oは△BCIの外心であり、これらより点A,I,Oが一直線であることがいえる
点Pは△BCIの外接円の円周上であるので、点Pが点Iと一致しない場合∠AIP>90°となりこれよりAP>AIがいえる
点Pが点Iと一致する場合、明らかにAP=AIがいえる
また、AP=AIとなるような点Pは点A,I,Oが一直線であることと点Pが△BCIの外接円の円周上であることより明らかに点Iと一致するときのみ
以上より題意は示された
Lemma 1.48. (Simson Line)
問題:
△ABCの外接円上の点Pから辺BC,CA,ABに下した垂線の足をそれぞれ点X,Y,Zとする。
点X,Y,Zが一直線上にあることを示せ。
解答:
よって∠PCX=180°-∠PYX
A,B,C,Pは共円であるので、∠PAZ=∠PCB=∠PCX
∠PZA=∠PYA=90°より∠PYA+∠PZA=180°であり、Z,A,Y,Pは共円
よって∠PYZ=∠PAZ
よって∠PYX+∠PYZ=(180°-∠PCX)+∠PAZ=180°-∠PCX+∠PCX=180°
よってX,Y,Zは一直線上