Mitsubachiのメモ

組合せ論をしています

EGMO(Evan Chen) メモ6

Problem 1.40. (Canada 1991 3)

問題文:

点Pを円ωの内側の点とする。

点Pを含む円ωの弦を考えたとき、その弦の中点は必ず円Xの周上にあるような円Xが存在することを示せ。

 

解答:

円ωの中心をOとする。

点Oと点Pが一致する場合、弦の中点は常に点Oであり、円Xは点Oを通る任意の円が満たす。

一致しない場合、円XはOPを直径とする円であることを示す。

点Oと点Pを共に通るような弦は円ωの直径であることから、この弦の中点は点Oであり、円X上の点であるので条件を満たす。

また直線OPと垂直な点Pを通る円ωの弦については、中点が点Pであり、これも条件を満たす。

弦がこれらでない場合を考える。

弦の中点をQとする。

このとき、弦と直線OQは垂直であり、これより∠PQO=90°

これは点P,点Q,点OがPQを直径とする円上にあることを示し、この円は円Xである。

よって示された。

 

Problem 1.41. (Russian Olympiad 1996)

問題文:

凸な四角形ABCDの辺BC上に2点E,Fがある。(点Eの方が点Fよりも点Bに近い)

また、∠BAC=∠CDF,∠EAF=∠FDEが成り立っている。

∠FAC=∠EDBを示せ。

 

解答:

∠EAF=∠FDEよりA,E,F,Dは共円

よって∠ADE=∠AFEがいえる

ここで、∠ADE=x,∠EDF=y,∠BAE=zとする

このとき、∠ADC=∠ADE+∠EDF+∠FDC=∠ADE+∠EDF+∠BAE=x+y+z

また、∠AEB=∠ADF=∠ADE+∠EDF=x+y

よって∠ABC=∠ABE=180°-∠BAE-∠AEB=180°-x-y-z

よって∠ABC+∠ADC=180°であり、A,B,C,Dは共円

よって∠BAC=∠BDC

ここで、∠BAF=∠BAE+∠EAF=∠BAE+∠EDF=y+z,∠EDC=∠EDF+∠FDC=∠EDF+∠BAE=y+zより∠BAF=∠EDC

よって∠FAC=∠BAC-∠BAF=∠BDC-∠EDC=∠EDBが示される

 

Lemma 1.42.

問題文:

△ABCを円ωに内接する鋭角三角形とする。

点Xを点Aを含まない側の点B,Cを端点とする弧の中点とし、点Y,点Zも同様に定義する。

△ABCの内心を点Iとするとき、△XYZの垂心は点Iと一致することを示せ。

f:id:Mitsubachi88:20210105214107p:plain

 

解答:

円ωの中心を点Oとする

はじめにA,I,Xは一直線であることを示す

点Xは弧BCの中心より、弧BXと弧XCの長さは等しい

よって∠BOX=∠XOC

円周角の定理より∠BOX=2∠BAX,∠XOC=2∠XACである

これらより∠BAX=∠XACがいえ、これは点Xが直線AI上にあることをあらわす

これよりA,I,Xは一直線であることがいえた

同様にB,I,Yが一直線であること、C,I,Zが一直線であることもいえる

直線XIと直線YZ,直線YIと直線XZの交点を点V,点Wとする

A,B,C,X,Y,Zは共円より、∠YWX=180°-∠WYX-∠WXY=180°-∠BYX-∠ZXA-∠YXA=180°-∠BAX-∠ZCA-∠YBA=180°-(∠BAC+∠ACB+∠CBA)/2=180°-180°/2=90°がいえる

これより直線YWと直線XZは垂直

同様に直線XVと直線YZは垂直であり、直線XVと直線YWの交点は△XYZの垂心

直線XVと直線YWの交点は点Iであるので、点Iは△XYZの垂心である