Mitsubachiのメモ

組合せ論をしています

EGMO(Evan Chen) メモ5

Problem 1.36.

問題文:

凸の五角形ABCDEは、四角形BCDEが正方形かつ中心がOの円に内接であり、∠BAE=90°である。

直線AOが∠BAEを二等分することを示せ。

 

解答:

点Oは正方形BCDEの中心より、∠BOE=90°

また∠EBO=∠BEO=45°

よって∠BAE+∠BOE=180°であり、これはA,B,O,Eが共円であることを示す

A,B,O,Eが共円より、∠BAO=∠BEOと∠OAE=∠OBEがいえる

以上より∠BAO=∠OAE=45°であり、これは直線AOが∠BAEを二等分することを示す

 

Problem 1.37. (BAMO 1999 2)

問題文:

実数a,bを0<a<bとなるように定め、O(0,0),A(0,a),B(0,b)を考える。

円TをABを直径とする円とし、点Pを円T上のA,B以外の点とする。

直線PAとx軸の交点をQとしたとき、∠BQP=∠BOPを示せ。

 

解答:

TはABを直径とする円より、点Pのx座標が0となることはなく、QはOと重なることがない

Bはy軸上の点、Qはx軸上の点なので∠BOQ=90°

円TはABを直径とするので∠BPA=90°

これより∠BPQ=∠BOQ(=90°)であり、B,P,O,Qは共円

よって∠BQP=∠BOP

 

Problem 1.38.

問題文:

円に内接する四角形ABCDについて、点Jを△ABCの内心、点Kを△DBCの内心とする。

B,C,K,Jは共円であることを示せ。

 

解答:

JCB=x,∠KCA=y,∠KBC=zとする。

点Jは△ABCの内心より、∠ACJ=∠JCB=x

よって∠KCB=∠JCB+∠ACJ+∠KCA=2x+y

点Kは△DBCの内心より、∠DCK=∠KCB=2x+y

よって∠ACD=∠ACK+∠KCD=2x+2y

A,B,C,Dは共円より、∠ABD=∠ACD=2x+2y

点Kは△DBCの内心より、∠DBK=∠KBC=z

よって∠DBC=∠DBK+∠KBC=2z

また∠ABC=∠ABD+∠DBC=2x+2y+2z

点Jは△ABCの内心より、∠JBC=∠ABC/2=x+y+z

よって∠JBK=∠JBC-∠KBC=x+y

また∠JCK=∠JCA+∠ACK=x+y

よって∠JBK=∠JCK(=x+y)であり、B,C,K,Jは共円であることを示す

 

Problem 1.39. (CGMO 2012 5)

問題文:

△ABCの内心をIとし、△ABCの内接円が辺AB,辺ACと接する点をそれぞれD,Eとする。

また、点Oを△BCIの外心とする。

∠ODB=∠OECを示せ。

 

解答:

A,I,Oはこの順に一直線であることを示す。

直線AIと△ABCの外接円の交点で、Aでない方を点O'とする。

このとき、A,I,O'はこの順に一直線であり、A,B,O',Cは共円

△ABIについて考えて、∠O'IB=∠O'AB+∠ABI=(∠BAC+∠ABC)/2

またA,B,O',Cは共円より∠O'BC=∠O'AC

これより∠O'BI=∠O'BC+∠IBC=∠O'AC+∠IBC=(∠BAC+∠ABC)/2

よって∠O'IB=∠O'BIであり、これはO'B=O'Iを示す

同様にO'C=O'Iであることもいえ、これらよりO'B=O'I=O'Cであるので、O'は△BCIの外心

点Oは△BCIの外心であるので、点OとO'は一致

仮定よりA,I,O'はこの順に一直線であり、A,B,O',Cは共円なので、A,I,Oはこの順に一直線であり、A,B,O,Cは共円

 

点Iは△ABCの内心より、∠DAI=∠EAI

また、∠ADI=∠AEI(=90°)より、∠OID=∠IAD+∠IDA=∠IAE+∠IEA=∠OIE

またID,IEは共に△ABCの内接円の半径よりID=IE

よって、∠OID=∠OIE,ID=IE,IO=IOより△OIDと△OIEは二辺夾角相等で合同

これより∠ODI=∠OEI

また、∠ODB=∠BDI-∠ODI=90°-∠ODI,∠OEC=∠CEI-∠OEI=90°-∠OEIであり、これと∠ODI=∠OEIより∠ODB=∠OECがいえる