Example 1.32.
問題文:
△ABCを中心がO上の円ωにある鋭角三角形とする。
点Kを直線KAがωに接し、∠KCB=90°となるような点とする。
点Dを直線BC上にKD//ABとなるように取ったとき、直線DOはAを通ることを示せ。
解答:
直線AOと直線BCの交点を点D'とする。点Dと点D'が一致することを示す。
直線KAはωに接するので、∠KAC=∠ABC
∠KAD'=∠KCB(=90°)より、∠D'AB=∠ACKと4点K,A,C,D'は共円
よって円周角の定理より∠CD'K=∠CAK
以上より∠ABC=∠KD'CとなりAB//KD'がいえる
Kを通りABに平行な直線と直線BCの交点は一意に定まるのでDとD'は一致する。
仮定よりD'は直線AO上なので、示された。
Problem 1.34.
問題文:
三辺の長さが異なる△ABCにおいて、∠BACの二等分線と辺BCの垂直二等分線の交点をKとする。
A,B,C,Kは共円であることを示せ。
解答:
△ABCの外接円をωとする。
∠BACの二等分線とωの交点のうち、Aでない方をK'とする。KとK'が一致することを示す。
A,B,C,K'は共円より、∠K'BC=∠K'AC,∠K'CB=∠K'AB
仮定より∠BAK'=∠K'ACなので∠K'BC=∠K'CB
よって△K'BCは二等辺三角形であり、K'は辺BCの垂直二等分線上
∠BACの二等分線と辺BCの垂直二等分線の交点は一意より、KとK'は一致し、仮定よりK'はA,B,Cと共円なので、A,B,C,Kは共円
Example 1.35. (SLP 2010 G1)
問題文:
鋭角三角形ABCにおいて、A,B,Cから対辺におろした垂線の足をD,E,Fとする。
直線EFと外接円の交点のうち、一方をPとし、直線BPと直線DFの交点をQとする。
AP=AQを示せ。
解答:
(i)PをF,E,Pの順で一直線になるように取る場合(上図においてP1)
A,B,C,Pは共円なので、∠APB=∠ACB
∠BFC=∠BEC(=90°)よりB,C,E,Fは共円なので、∠AFP=∠ACB
∠AFC=∠ADC(=90°)よりA,C,D,Fは共円なので、∠BFD=∠ACB
以上より∠APB=∠BFDであり、これはA,F,Q,Pが共円であることを示す
これより∠AQP=∠AFP
以上より∠APQ=∠AQPがいえ、これはAP=AQを表す
(ii)PをP,F,Eの順で一直線になるように取る場合(上図においてP2)
A,B,C,Pは共円なので、∠APQ=∠ACB
∠AFC=∠ADC(=90°)よりA,C,D,Fは共円なので、∠AFQ=∠ACB
以上より∠APQ=∠AFQであり、これはA,F,P,Qが共円であることを示す
これより∠AQP=∠AFE
∠BFC=∠BEC(=90°)よりB,C,E,Fは共円なので、∠AFE=∠ACB
以上より∠APQ=∠AQPがいえ、これはAP=AQを表す