Problem 1.12.
問題文:
△ABCの垂心をHとし、AHとBCの交点,BHとACの交点,CHとABの交点を順にD,E,Fとする。
点集合{A,B,C,D,E,F,G,H}から4つの点を選んでできる、円に内接する四角形を6つ示せ。
解答:
答えは四角形AFHE,BDHF,CEHD,ABDE,BCEF,CAFDであることを示す。
(i)前3つ
四角形AFHEは∠AFH=90°,∠AEH=90°から∠AFH+∠AEH=180°であり、これより円に内接する。
BDHF,CEHDも同様に言える。
(ii)後3つ
四角形ABDEは∠AEB=90°,∠ADB=90°から∠AEB=∠ADBであり、これより円に内接する。
BCEF,CAFDも同様に言える。
Example 1.13. (Problem 1.15.)
問題文:
1.13.の図において、点Hは△DEFの内心であることを示せ。
解答:
直線DHが∠EDFの二等分線であること、すなわち∠FDH=∠EDHを示す。
B,D,H,Fは共円なので、∠FDH=∠FBH
A,B,D,Eは共円なので、∠ADE=∠ABE
∠FDH=∠ABE,∠EDH=∠ADEより∠FDH=∠EDH
よって示された。
なお、直線EH,FHがそれぞれ∠FED,∠DFEの二等分線であることも同様に言える。
Problem 1.16.
問題文:
1.13.の図において、△AEF,BFD,CDEは△ABCと相似であることを示せ。
解答:
△AEFは△ABCと相似であることを示す。
A,F,H,Eは共円より、∠HFE=∠HAE
これらと∠HAE=∠DAEより、∠HFE=∠DBE
よって、∠AFE=90°-∠HFE=90°-∠DBE=∠ACB
△AEFと△ABCについて、∠FAE=∠CAB,∠AFE=∠ACBより二角相等がいえるので、これらは相似。
△BFD,CDEについても同様にいえるので、示された。
Lemma 1.17.
問題文:
点Hを△ABCの垂心とする。点X,点Yをそれぞれ辺BC,辺BCの中点について点Hと対称な点とする。
(a) 点Xは△ABCの外接円上にあることを示せ。
(b) 辺AYは△ABCの外接円の直径であることを示せ。
解答:
AHとBCの交点,BHとACの交点,CHとABの交点をそれぞれD,E,Fとする。
(a) 点Hは△ABCの垂心より∠HDB=90°
これより△BDHと△BDXは∠HDB=∠XDB(=90°),BD=BD,DH=DXより二辺夾角相等
よって、∠HBD=∠XBD
よって、∠XBC=∠XBD=∠HBD=∠EBD=∠EAD=∠XAC
よって、円周角の定理よりX,A,B,Cは共円
よって示された。
(b) 辺BCの中点をZとする。
HD:DX=HZ:ZY(=1:1)より、DZ//XY
すなわちBC//XY
BD:DC=HZ:ZY(=1:1)より、四角形BYCHは平行四辺形
よってBH=YC
△BDHと△BDXは合同なのでBH=BX
これとBC//XYより四角形BXYCは等脚台形
よってB,X,Y,Cは共円であり、これと(a)より点Yは△ABCの外接円上
BC//XYと∠ADC=90°より、∠AXY=∠ADC=90°
よって辺AYは△AXYの外接円の直径であり、示された。